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​プロジェクトへの想い

私たちが暮らす道行竈は、地区内に豊富な水源があり、古くから米作りが盛んに行われてきました。東西に長い南伊勢町のほぼ中央に位置し、2023年現在、19世帯が暮らす南伊勢町のなかで最も小さな集落です。昭和30年代から若い世代の人口流出が進み、今では高齢化率60%超。後継者不足から耕作放棄地が年々増えています。

道行竈会長と区長.JPG

「子孫のために生まれ育った道行竈を守りたい…」。
このような想いを持った有志が中心メンバーとなり2018年、『チーム道行竈』を結成しました。耕作放棄地の復田をきっかけとして、過疎化地域に活気を取り戻し、未来へとつながる持続可能な取り組みができないかと考え、日本酒の材料となる酒米を栽培し、日本酒として広く世の中に送り出すことにしたのです。

 

初年度は35aを復田し、三重県の酒造好適米・神の穂を栽培。伊賀市の酒蔵、若戎酒造に依頼し、私たちが育てた【道行竈】の酒米で日本酒を製造して頂きました。
銘柄はずばり【道行竈】。ラベルには【道行竈】の美しい田園風景を描き、日本酒を手にとった人がこの地域に思いを馳せ、興味を持つ仕掛けです。
この「道行竈の日本酒プロジェクト」には、地域おこし協力隊や、皇学館大学や東京大学の学生も協力し、過疎化が進む【道行竈】に若者が訪れ、関わりを持つきっかけとなりました。

2020年には『チーム道行竈』を法人化し、直売所も設立しました。酒米・神の穂に加え、飯米・コシヒカリの栽培も開始し、現在までに約2haの耕作放棄地を復田しています。荒れ果てた土地が少しずつ昔の田園風景を取り戻していく様に、地域の高齢者や、道行竈を離れて暮らす子や親せき、行政も興味を持ち、この取り組みに関わってくださる方も年々増えています。

2021年にはホームページからのネット販売もはじめ、南伊勢町の小さな集落の酒や米は「道行竈ブランド」として地域のPRツールとなり、遠く離れた場所にも届けられるようになりました。過疎化を食い止め、道行竈を守るための課題はまだまだ山積みですが、私たちは道行竈の魅力を維持し、守るために一歩一歩この活動を続けています。
今後も「道行竈ブランド」を継続的に発信し続けることで、地域の人たちが自分の住む地域に誇りを持ち、外に出た人たちが故郷を忘れず、戻りたくなる場所になるよう取り組み続けます。
 

道行竈田植え.JPG

毎年4月下旬に行われる酒米「神の穂」の田植えには、町内外からの参加者が集まるようになりました。皆で農作業をした後に田んぼで食べるお弁当は格別です。

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道行竈の田んぼは水が豊富。携帯の電波も届かない自然の中にあります。8月下旬の稲刈りまで、美味しいお酒ができるように道行竈の「神の穂」を大切に育てています。

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収穫した「神の穂」は、等級検査の後、チームメンバーで伊賀市の若戎酒造さんへ運ぶのが、恒例行事となっています。令和5年度産の酒米は3年連続!等級検査で1等でした。

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